
品川シーズンテラス
11月8日、品川シーズンテラスに企業緑地の訪問に伺いました。品川シーズンテラスは国内最高水準の環境配慮型ビルとふれあいやにぎわいを生み出す広大な緑地を創出する大規模開発をおこなっており、SEGESにおいて「緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業」として認定されています。
Q.緑地を作ったきっかけを教えてください。
A.最初に1960年代に飯野海運がビルを所有しており、そのビルの建て替えの際に、利益向上と社会貢献を目指して緑地を作りました。 海運会社ということで、ガスを輸送する仕事も行っており、普段の仕事で環境配慮ができない分、企業ビルに緑地を作ることで環境貢献活動ができたら、という思いで設置に至りました。
Q.緑地管理において、力を注いでいることはありますか?
A.農薬を極力使わないことに注力しています。農薬による植物の管理をしない代わりに、植物の点検を2日に一回行なっています。一般的な会社は月に1.2回の点検の場合が多いので、かなり人の手をかけています。その分、管理費用は多くかかっています。
Q.緑地を作る上で困難だったことなどはありましたか?
A.緑地を作る段階では社内で異論はありませんでした。しかしこのビルは商業施設も併設しているため、 併設する飲食店から、木々で店の外観が見えにくい、とのご意見を受けたことはあります。ですがこうした商業施設の方々にも、企業緑地の必要性を説明し、納得していただき緑地を運営しています。
Q.一般の方に企業緑地について知らせる機会はありますか?
A.特に機会は設けていません。近くの日比谷公園で行われるイベントにて、苗木やパンフレットの配布などはおこなったことがあります。緑地の利用者の方々からのフィードバックなどを聞く機会はないですが、そうしたイベントで交流はあります。
Q.緑地を作る上で工夫した点はありますか?
A.この地域の江戸時代の植生を模倣して、植える植物を選定しました。また、近くの日比谷公園や皇居の緑地とのつながりも意識し、そうした周辺緑地の植生とも合うようにすることで生き物の中継地としての役割を果たせるようにしています。 また、低木種がよく見えるように、植える地面を底上げし、見映えを意識しました。木々の周りには会社に関連するアート作品も展示し、都会ならではの緑地空間を作り上げています。
Q.今後、貴社の緑地をより良くするために考えていることなどありますか?
A.同じく緑地を持っている近隣のビルとの連携を図っていきたいと考えています。また、生き物の個数調査は5年に一回は自社で調査していますが、この調査をもう少しスパンを短くして行なったり、動物の種数を増やせるようにしていきたいです。